「なんて美しい装置なんだ・・・!」
これは、僕が初めてペンデュラムウェーブを目にしたときの感想です。
この装置は、簡単に言えば、振り子を並べ、ある性質を利用して綺麗な波を描くように工夫されたものです。
一見振り子が並んでいるだけで何の変哲もありませんが、それらを動かすと、その美しさにクギ付けになります。
動画でどのようなものかを見てもらった後で、なぜそのような現象が起こるのかについて解説したいと思います。
ペンデュラムウェーブって何だろう
まずは、「ペンデュラムウェーブって何?」という根本的な疑問を解消していきますね。
百聞は一見に如かずとも言いますし、まずは動画を見てください。
ペンデュラムウェーブの魅力、美しさがわかるはずです!
動画では2分ぐらいで一度振り子を止めますが、その後より綺麗で幻想的になるので、ぜひ最後まで見てください!!
さて、お楽しみいただけたでしょうか?
ついつい、見とれてしまった人も多いはず。
僕もこの美しさに魅せられたのです。
とりあえず、どんな装置なのかわかったと思います。
このペンデュラムウェーブは、2010年ぐらいにハーバード大学が公開したものです。
振り子を同時に動かすと、バラバラに動いた後に再びピッタリ重なるという、見ていて楽しく不思議な装置になっています。
これは高校物理で習う"ある原理"を利用して作られています。
勘の良い方は、もうわかりましたね??
詳しくはこの後、説明します。
【応用編】英単語から読み解くペンデュラムウェーブ
ここで少し休憩も兼ねて、英語のお勉強。
ペンデュラムウェーブって聞いただけで、意味がわかって、どんなものか想像できた人は少ないと思います。
特にペンデュラムが難しいと思います。
ペンデュラムウェーブを英語で書くと、"Pendulum Wave" です。
pendulumには、(時計などの)振り子、趨勢(物事の進み向かう様子。動向。なりゆき。)、動揺するものという意味があります。
waveは波という意味なので、これらをあわせて、"振り子の波"という大まかな意味がわかると思います。
まさに、振り子が波のように揺れている様子を表現していますね。
また、pendulumの、"pend"という接頭語は、「ぶら下げる」という意味なので、ぶら下がっているもの→振り子という意味につながります。
他に"pend"の意味がわかる単語としては、depend(依存する)が挙げられます。
de(下へ)+pend(ぶら下げる)別のものにぶら下がる→依存するという意味になります。
これはペンデュラムウェーブや物理には関係ない話でしたが、少しでも印象に残りやすいようにと思って書いてみました。
英単語を覚えるときは、このように接頭語を上手く使って覚えると意味を掴みやすくなるのでオススメです。
少し脱線してしまいましたが、次はこの装置がなぜこのような不思議な動きをするのかを解説していきたいと思います!
ペンデュラムウェーブの原理
それでは、なぜこのような現象が起きるのかを説明します。
端的に理由を言えば、振り子が揺れる周期は、振り子のヒモの長さで決まるからです!
本当は重力加速度も周期を決める要素になりますが、地球上にいる限り重力加速度は一定とみなしていいでしょう。
この性質は"振り子の等時性"と呼ばれ、高校物理で出てきたと思います。
「振り子は、質量や振れ幅に左右されない」というおもしろい性質です。
僕も初めて習ったときは驚きましたし、この動画を見て、そのことを実感することができて感動しました。
詳しく知りたいという方は振り子の等時性の証明からどうぞ!
そして、この等時性がどのように利用されているのかというと、振り子の周期を、
1分間に65回往復する
1分間に64回往復する
1分間に63回往復する
(略)
1分間に51回往復する
1分間に50回往復するように調整してあります。
この往復回数の微妙なズレが、あの不思議な動きにつながるのです。
そして、1分間に往復する回数が違うだけなので、1分後の位置はどの振り子もスタート時と同じですよね。
だから、バラバラ→キレイに揃うという動きになるわけです!
ちなみに、振り子の長さが約25cmで1往復1秒、振り子の長さが約100cmで1往復2秒になるそうです。
これより、振り子の周期が振り子の長さの1/2乗に比例していることがわかりますね。
ペンデュラムウェーブについてのまとめ
ペンデュラムウェーブについて、最後にもう一度まとめておきましょう。
・バラバラの動きをしていた振り子が、しばらくするとキレイに整列する
・ペンデュラムウェーブの原理は、振り子の等時性にある
・英単語からもその性質が予想できる
ただの物理法則1つをとってきただけで、こんなに美しい現象が起こるのです。
「物理ってすごいなぁ」と感じさせられますよね。
この装置を見て、少しでも「勉強って楽しいかもしれない」と思ってもらえたら嬉しい限りです。
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