「文章を書こうとすると、ペンがとまってしまう。」
「思っていることをうまく文章にできない!」
このような悩みを持っている方は、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』という本を読むことをオススメします。
僕は、頭の中で考えていることをうまく文章にできず困っていましたが、この本を読んで、考えていることや思っていることを文字として表現するために意識すべきポイントを学ぶことができました。
一体どのようなことに気をつければ良いのでしょう。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書) [ 古賀 史健 ]
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の要約①:話し言葉と書き言葉は違う
僕たちが人とおしゃべりするときに使う話し言葉と、何かに書くときに使う書き言葉は全く別のものです。
これは、思っていることを文章にできないという悩みを解消するにあたって知っておくべき大前提。
「人と話すときと同じように文章を書けばいいんだ!」と考えるのは間違いであるということです。
では、この2つはどのような点で異なるのでしょうか。
大きな違いとして、話し言葉だと、言葉以外の感情などの要素も盛り込めるということが挙げられます。
相手の表情や声のトーンで、考えていることを想像することができますよね。
また、身振り手振りで不足している情報を補ったり、理解しやすくしていることもあります。
例えば、「バカ!」と言われたとき、相手が怒っていたら自分に対する悪口だと判断できますが、女の子が照れながら言ったとすれば、愛情表現であると捉えるでしょう。(言葉以外の感情などの要素)
また、「あっち向いて!」と言われても、これだけではどっちを向けばいいのかわかりませんよね。そのようなとき、向いてほしい方向を指さしながら発言したならば、どこを向けばいいのか判断できますね。(身振り手振りでの情報の補足)
このように、人と喋っているときの言葉と、文章を書くときの言葉には違いがあるということがわかります。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の要約②:この違いから生じる諸問題
このような話し言葉と書き言葉の違いから、生じる問題があります。
しかし、われわれが文章を書く上でぶつかる諸問題は、ほとんどが次の2点に集約されるのではなかろうか?
①文章を書こうとすると、固まってしまう
②自分の気持ちをうまく文章にすることができない
この2つの問題のせいで、僕たちは文章を書くことを難しいことだと感じてしまいます。
では、どうしてこのような問題が発生するのか、話せるのに書けないという事態が起こってしまうのでしょうか。
再び、本の内容を引用させていただきます。
それでは、考えよう。
どうしてわれわれは賭けないのか?
なぜ「話せるのに書けない!」のか?
答えは簡単だ。書こうとするから、書けないのだ。
文章を「書こう」としてはいけない。「自分の気持ちを書く」という意識は、今日この日をもって捨て去ってしまおう。
書こうとしてはいけない?
どういうことでしょう。
僕たちの頭の中には、言葉にできないような"思い"がたくさんあります。
この"思い"のことを、本の著者は「ぐるぐる」とよんでいますが、この「ぐるぐる」を"書こう"とするのでなく、"翻訳"することが文章を書くために必要なことなのです。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の要約③:"翻訳"の必要性
ここでいう"翻訳"とは、自分の頭のなかで考えていることを、読み手にとって一番理解しやすい形で文章にすることです。
文章を書くにあたって、書きたいことを自分が理解していることは当たり前です。
それを、読者にとってわかりやすく、正しく伝えられるように言い換えたりすることが"翻訳"であり、文章を書くときに必要なことです。
"翻訳"についてわかってきたところで、文章を書くときにぶつかる問題を思い出してみてください。
①文章を書こうとすると、固まってしまう
②自分の気持ちをうまく文章にすることができない
これらの問題を、"翻訳"の観点から見直してみましょう。
まず①について、「ぐるぐる」を自分の中で整理できていない状態で、"翻訳"の意識をもつことが必要です。
②については、「ぐるぐる」を"誤訳"しているので、"翻訳"の訓練が足りないのでしょう。
このように、"翻訳"という概念を理解することで、文章を書くことのハードルはグッと下がります。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書) [ 古賀 史健 ]
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の要約④:なぜ私たちは文章を書くのか?
「自分の気持ちをちゃんと文章にしたい」という悩みをもってこの記事を読んでいると思うのですが、そもそもなぜ文章を書く必要があるのでしょうか?
今一度、考えてみましょう。
・ブログの記事を書きたいから
・ライターの仕事をしているから
理由は人それぞれだと思いますが、次の本質を忘れないようにしてほしいと思います。
アマチュアだろうとプロだろうと、メールだろうと小説だろうと、あらゆる文章の先にはそれを読む"読者"がいるのだ。
書くことに対して夢中になっていると、意外と盲点になっていることではないでしょうか。
どんな文章にも読み手は存在しますよね。
自分以外のだれにも見せないものだとしても、自分という読み手が存在しています。
そして、その読み手を動かそうと文章を書くのではありませんか?
お店の紹介をして実際に足を運んでもらう、商品を紹介して購入してもらうなど、読者に行動を起こしてもらうという目的があると思います。
このことを、本の筆者は次のように述べています。
文章を書くことは、他者を動かさんとする"力の行使"である。
読み手の心に訴えかけて行動を起こしてもらうためにも、読み手の気持ちになって同じ視点からものごとを捉えることで、本当の意味で読者のことを理解する必要があるのです。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の要約のまとめ
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読めば、自分の思っていることを文章にできるようになります。
読み終えてすぐにできなくても、本を読んで学んだことを意識しながら文章を書くという経験を積めば、必ずできるようになるでしょう。
この記事で紹介したことは、本のごく一部でしかありません。
あなたにとって読者はだれですか?
その読者には、どんな行動を起こしてほしいですか?
読者を動かす"力の行使"を行うためにも、手に取って読んでみてください!
20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書) [ 古賀 史健 ]